従来の乳剤(エマルジョン技術)は油溶性の薬物を植物性油脂に溶解させた、外観が乳白色の乳剤型製剤で、滅菌は高圧蒸気滅菌で行っていました。
そのため、薬物が水溶性、難溶性(水にも油にも溶解しない性質)のもの、熱に不安定なもの、外観に透明性が必要なものには適用できませんでした。
また粒子径は0.2μ(200nm)程度でしたので、この製剤が体内に入ると網内系(肝臓や脾臓や腎臓)に捕捉されやすい性質を持っていました。
一方世界的には、エマルジョンよりもリポソームの方が細胞膜に類似している点、水溶性物質も保持可能な点、小規模試作が可能で技術的ノウハウが少なくてすむ点から研究が活発に行われています。
しかしリポソームは生産性が低く、高圧蒸気滅菌が難しく、保存条件に制限がある点で商品化が難しい面を持っています。
私たちは従来のエマルジョン技術の欠点とリポソームの欠点を克服するために、独自のナノエマルジョン技術を確立しました。これにより油溶性薬物に限らず、水溶性や難溶性の薬物もエマルジョン化が可能となりました。
滅菌に関しては高圧蒸気滅菌のみならず、ろ過滅菌の可能性もあり、これにより熱安定性に乏しい薬物や超高圧に弱い薬物においてもエマルジョン型注射剤として製剤化できるようになりました。
粒子径も0.02〜0.3μm(20〜300nm)程度の範囲で可変性を持っております。
私たちのナノエマルジョン技術を用いることにより、次のようなこれまでに出来なかった製剤の可能性が出てまいります。
即ち、外観はこれまでの乳白色から半透明、更には透明なものに出来るようになりました。
これにより注射剤の変質や汚染が判り易くなり、患者さんの安心感も得やすく、更に注射剤のみならず点眼剤の分野にも機能性のある点眼剤として適用可能となりました。
また体内動態は、製剤設計により血管内循環やリンパ系循環、更には新生血管漏出など工夫することが可能となり、これによって副作用の軽減、ターゲッティング効果などが期待されております。
滅菌法は製剤設計により高圧蒸気滅菌とろ過滅菌を選択できますので、特に熱安定性に問題がある薬物、例えば遺伝子関連薬物、蛋白性薬物などにも応用可能となりました。

![]() |
ページトップへ戻る |